2009/11

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sgft016 saddle riders JKT


今回はリベットを紹介。





今回もsgf刻印の銅製オリジナルリベット。


勘に良い方は気づいたかもしれない。


「SGFで継続して使っているレザーパッキンが無いのでは?」




心配あらず。

今回のリベットパッキンは表側につく。


そして、今回sgft016には6個のリベットがつくのだが
2種類のリベットを使う。

どちらも好きなリベットで、バランスをとった結果、2種のリベットを使うことになった。


まず、袖部分に使われるリベットは
2本針で挟み込むクロウリベット。




レザーパッキンはカンガルーレザー。

使い込むうちに丸まって良い味になっていく。



次に胸部分で使われるリベット。

こちらは銅製の打ち抜きリベット。



こちらのレザーパッキンもカンガルーレザー。



2種のリベット。

この二つの成長を同時に楽しめる。
ささやかであるが少し得した気分になってくれるとありがたい。




最後にクロウリベットのアップ。





次回ご期待ください。




sgft016 saddle riders JKT




今回からディティールを紹介していきます。


まずはボタンから。


sgf101 saddle ride boots
sgf201 saddle ride straight
sgf401 heavy work trousers

で共通して使用している鉄製ブルズアイボタン。


改めて説明すると
水牛の目(ブルズアイ)をイメージしたボタン。

このボタン自体は既存であるのだが
SGFのイメージにあわせ、
素材を鉄製に変更。
デザインも荒々しくリデザインしたオリジナルボタン。



sgf101,201では
ブラックメッキの後、赤ラッカー仕上げした三層ボタン。
レッドブルズアイ三層ボタン
「狂牛」を連想させる仕上がりだ。




赤ラッカーが剥がれ、やがて黒メッキも剥がれていく。
やがて地のメッキも剥がれ鉄の地が錆びていく。

当初は剥がれ方のバランスが悪かったがきれいなグラデーションではがれるように調整してきた。



sgf401では
赤三層にはせず、そのままのメッキのみのシルバーカラーのソリッドブルズアイボタン。




非常にソリッドなイメージ。
なにもしないのも潔くてデニムとのバランスを崩さない。




今回のsgft016 saddle riders JKT。
大事なのは「男臭くソリッドなこと」

迷わずソリッドブルズアイボタンを選択。



しかし、saddle rideの名の通り、sgf101,201のトップスともいえるGジャンである。

レッドブルズアイ三層ボタンも捨てがたい。


サンプル作成をするタイミングで
ソリッドブルズアイボタンをベースにしながらも、レッドブルズアイ三層ボタンをポイントで使用し、バランスを調整。


最終的に落ち着いたのは
右胸部分と左袖部分のボタンにレッドブルズアイ三層ボタンを使う。


シルバーベースに2個ほどレッドを入れるのが一番バランスが良い。


なぜ右胸部分と左袖部分なのか?

すいません。
個人的に良く使い、アタリがつきやすいのがこの部分だから。



静のボタンともいえるソリッドブルズアイ。

動のボタンともいえるレッドブルズアイ。


着こんで行くうちに、静と動がやがて馴染んでいくだろう。

静と動がうまく混ざりあっていく頃には、デニム本体も、着用者にしっくりと馴染んでくるはずである。


ボタン裏はアルミ製のsgf刻印入り。
そしてすべてのボタン箇所には、ヤギ革のサークルリベットパッキンがつく。



こちらのエイジングも楽しみだ。



最後にボタンと生地のバランスをご紹介。










次回ご期待ください。
















先日アトリエにて
sgf201とsgf401を2本購入してくれたY氏。


別々のオーダーだったのだがsgf401の生産は時間がかかるので結果的に同じタイミングに。


最後帰る段階になって

「2個手に持って帰るのは大変ですね」


「カバンに入るかな…」


そんなやり取りの中、入れてみると
見事2個の缶がぴったりと。


なんだかうれしい瞬間でした。


ぜひ穿きこんであげてください!

先日、東日本のジーンズ業界に長く携わってきた方とお話する機会があった。

これまで西日本の方と話す機会は多かったのだが新鮮でした。


非常に興味深い内容だったので紹介します。


あくまでその方の主観によるところも大きいので参考までに。



東と西の違いについて。


西は学生服製造という恵まれたバックボーンを元に
1950年頃、大石貿易がリーバイ等の輸入に加えて、ジーンズを作り出したのが始まりである。
それがキャントンであり、そのジーンズの製造を請負ったのがマルオ被服(現ビッ○ジョン)だったのはあまりにも有名な話である。

洗いの起源に関しても、アメリカから輸入されるジーンズがリジッドで硬すぎるところからそれを洗って売り出したのが洗い加工の始まりといわれているが、染色工場が多い立地をいかし、染色工場にその洗いを依頼した。

やがて、西日本のNB(ビッ○ジョンやボブ○ン)は快進撃をすることになる。
あまりにも、売れることから、その名前にあやかって「始めにBがつき、最後にNがつく」ブランドが当時急増したらしい。

この勢いは1970年代後半まで続くことになる。


一方、東のジーンズ(エドウィンやリーバイ、特にエドウィン)は、小売業から始まっている。

洗いの起源に関しても、硬すぎるアメリカデニムを柔らかくするための目的は変わらないが、依頼したところは大きく異なる。

西が、染色工場に依頼した一方、東はランドリーに依頼をすることになる。

東日本で現在有名な加工場は、元々はランドリーだったというから興味深い。



西のメーカーが快進撃を続ける中、東のメーカーはずっと日陰を歩いてきた。

当時の話を聞くと、小売業との商談すらさせてもらえなかったという。

通常の商談は、西のメーカー。
そこで扱われるアイテムが決まってしまう。
いわゆる夜の接待商談でしか、東のメーカーは相手にされなかった。
そして、少しだけお店に置いてもらう。

そんな時代だったという。


そこで疑問が生まれる。

「当時はそうだったかもしれないが、現在では、ビッ○ジョンやボブ○ンを知る人間のほうが少なくなってしまった。
ジーンズといえば、リーバイ、エドウィンと感じる方も多いはず。
いつ東西の逆転が起きたのか?」




その方は思い出すように

「80年代のペダルプッシャーが流行った時期に、少し東のメーカー、特にエドウィンが頭一歩出た感じがあった」

続いてこう話した。

「それまで西のメーカーは、出すものすべてが売れ、失敗をしたことが無かった。
時代の変革期に過去の成功を捨てきれなかった。」


当時の話をもう少し詳しく話すと
80年代、ジーンズはアメリカからヨーロッパへとトレンドが急激に移った時代だった。
当時、ヨーロッパではペダルプッシャーが爆発的に売れ、日本にも入ってくる。

西側のメーカーは、そのプライドからなのか、ペダルプッシャーテイストは仕掛けたがそこに過去の成功からの流れを受け継いだままオリジナリティーを加えて商品化をしたという。

そのタイミングで、東のメーカーは、当時ヨーロッパで流行っているものをそのまま低価格で商品化した。

氏は、そのタイミングで逆転したという。

その一時の些細な決断が明暗を分けた。

成功続きで、その成功を忘れることが出来なかった西。
日陰を歩いてきて、守るものが無かった東。

その差が、30年以上たったいまでも、今日の日本のジーンズ業界の勢力図に現れている。



その後、東のメーカーのうまかったのは、基礎をしっかりと作ったこと。


エドウィンといえば503。
リーバイといえば501。


それまで、イケイケドンドンで、基礎を大切にしなかった西。

その反省を踏まえ、基礎をきっちりと東は確立したのだった。





ここまでが、氏の話だった。





話して思うこと。


「今、日本のジーンズ業界は変革期では?」


デニムがダウントレンドになって長い。
それまで調子の良かった東のメーカーも軒並み落ち込んでいる。
西にいたってはジーンズ産業自体の危機を向かえている。


ジーンズ業界自体がメチャクチャになり
古い慣習が希薄になっている今、
新しいことが受け入れられる土壌が出来つつある。



ジーンズ業界の皆さん、チャンスです!


(と私は思います。)









sgf401 heavy work trousers

オフホワイトが極端に売れなかったのは以前話したのだが

そんな中、オフホワイトを穿いてくれているSHI氏。


ホワイト普及委員会を結成。



オフホワイトを広めようとオフホワイトのかっこよさを写真で表現。


「かっこいいと思うんですけどね…」と氏。

かっこよさはいろんな人に知って欲しいが
あんまり多くの人に穿いて欲しくない気もする。


そんな天邪鬼的な感情もありつつ、ご紹介。


色落ちは楽しめないが汚れていく感じとかかっこいいですよ。






sgfm007 crazy horse waistband



大方発送が終わり、オーナーさんそれぞれの使い方で成長してくれることを願います。



パネルは日本で作られるのはもう最後ということで

薄くて今回の製作では使われなかったパネルを展示中です。




その原皮そのままでも十分な迫力です。








アトリエに来られた方はぜひ見ていってあげてください。






sgfc003 "KAKISHIBU"heavy work trousers


前回、全体図を紹介した。

今回は前身頃を紹介します。


画像から伝わる雰囲気には限界がありますがその独特の雰囲気を感じてもらえたら幸いです。









フロント玉縁コインポケット。
しっかりと染まっている。





ベルトループ。






今回のサンプルでは膝の雰囲気が抜群に良い。




なんともいえない自然なムラが突発的にできる。
天然染めの醍醐味だろう。










sgft016 saddle riders JKT


前回
101Jライダースをベースに進行することが決まった。


「それでは、どうやって変化させていくのか?」



SGFを作るにあたって、変わらないデザインの基本がある。
タイトデザインをするときにも通じるものであるが

「シルエットに関係するデザインは体のラインを意識した曲線。
シルエットに関係しないデザインはソリッドな直線。」


今回のGジャンでいうならば
縦の切り替えや脇線は直線を意識して
横の切り替えやポケットなどのディティールは直線を意識して
パターンを引いていく。


文字で書くとなんだか恥ずかしいがそんな感じだ。


実際に画像で見てみると良くわかる。


左身頃。





右身頃。




後身頃。





さらに全体的にディティールを上に持ってきている。





101Jライダースをベースにしながらも、全く違う印象を受けるはずである。


人によって感性が違うのでなんともいえないが、全体としてソリッドな印象を受けるのではないだろうか?



最後にデザイン。


101Jライダースずばりを作るのであれば、レプリカメーカーに任せておけばよい。

だからといって101Jライダースの普遍性はやはり魅力を感じる。

特に、「色落ちさせたくなるGジャン」であるし
なによりSGFの信念「着用者と共に成長する。長く着続けて欲しい」からすると、数年後に飽きてしまっては全く意味が無い。

過度のデザインは、人を飽きさせる。


そして、試行錯誤を繰り返しながら、オーセンティックぎりぎりのデザインが決定した。


こちらに関してもオーセンティックの定義が人によって違うので意見が分かれるところだが、個人的には自信をもってお勧めできる最終形になったと自負している。

101Jライダースをソリッドに再編集し、そこに数年後も飽きないデザインソースを少しだけ入れる。
数十年後に、このGジャンのディティールがSGFの普遍性と言われることを願って。



詳しくはディティールにて紹介いたします。










sgfc003 "KAKISHIBU"heavy work trousers


前回、染めをし、手で揉んでやわらかくするところまで話した。


それでは、全体の雰囲気を紹介。


市場で売られている柿渋染めとの違いが画像からも読み取れる。


フロント。





バック





sgf401との雰囲気にも良く合う。

次回、ディティールを紹介します。


先日shin氏がアトリエを訪れてくれたときのこと。


「面白いもの見つけたんですよ」とshin氏。


それがコレ。





しげしげと観てみると
なんとも不思議なアイテムである。



ヴァンプ部分はスウェードレザー、おそらく牛革。
シャフト部分はデニム。

ツートンのブーツである。
ワイズが細くトウもスクエアっぽい。


グッドイヤーウェルトと思われる縫製で、本底も本革仕様。

それだけ聞くと、良いアイテムと思うのだが、とにかく縫製が雑。

それも半端ない下手さである。

そして内張りは合革。





しかしMADE IN USA。


なんだか胡散臭くてチープだが、面白い。


こういうアイテムと出会えることも服の面白さですね。


shin氏ありがとうございました!