sgfm006 saddleride buckleless belt
最後にまとめてディティールを紹介。
その前にまず金属の話をしなければならない。
金属と思い浮かべると金、プラチナ、銀、銅、鉄、アルミニウム…
いろんな金属が出てくる。
基本的には希少性によって価値が決められもちろん金が価格的には高い。
だが、個人的な感情にはなるが
希少性等を取っ払ったときになにがかっこいいかで判断した場合、
鉄が圧倒的にかっこいいと思っている。
重々しい鉛色が腐食していく姿は相当にかっこいい。
ただ、身に着けるものとなれば別だ。
身に着けるものと限定すれば
銀、銅が好みだ。
特に銅と亜鉛の合金である真鍮。
銀のつややかな鏡面が使い込むうちに肌になじむように黒くくすんでいく。
真鍮の深みのあるゴールドが褪せて深みが出てくる。
身に着けていくほどに変化していく。
デニムやレザーのエイジングに通じるものがある。
常に輝き続けるプラチナや金は、そういうのが好みの方々に任せておけばいい。
今回使うのは真鍮。
金がその合金配分率によって
ホワイトゴールド、ピンクゴールド、レッドゴールド、ブラックゴールド…
があるように、あまり知られていないが真鍮にもその合金配分率によっていくつかの呼び名がある。
銅に対する亜鉛の割合が少ないほど赤みが強くなる。
亜鉛の割合が増えるほど赤みが消え白くなっていく。
銅に対する亜鉛が40%程度の状態が金に近い色味で一番強度がある。
亜鉛量が減るにつれて
イエローブラス、ゴールドブラスといわれるようになる。
実際比べてみるとその高級感の違いにびっくりする。
やはり、40%亜鉛の真鍮が美しい。
そこでギボシ。
もちろん40%亜鉛の真鍮である。
そして真鍮の塊からギボシを作り出していく削りだしである。
形成品ではないので重さと重厚感がある。
そして
Dカン。
こちらは40%亜鉛の真鍮にニッケルメッキしたものを
再度バーナー加工を行いニッケル層を薄くしたもの。
こちらは残念ながらキャスト品ではあるがDカンの形状を考えたらやむをえない。
真鍮の塊からDカンを削りだすことになればどれだけ無駄な金属クズがでることだろうか?
バーナー加工を行った意味は
ニッケルメッキの光沢感を抑えると同時に
ニッケル層を薄くことによって着用によって削られる部分から覗く真鍮とのコントラスト出しやすくする為。
いい具合に光沢感も残りよい仕上がりだ。
一つ一つに対して作業していくので
色味にばらつきはでているがハンドメイドならではのディティールではないだろうか?
今回はナチュラルとブラウンの2色展開の為、革質の状態をみて一番マッチするDカンを一つ一つ選んでいく。
そして、糸。
もちろん麻糸。
でしっかりと縫いつけ。
ブラウンに関して革色に合わせて糸を染めてくれている。
GERUZ鈴木氏のこだわりが感じられる。
前回のハンドメイドならではのディティールの際載せたらよかったのだが忘れたので最後に。
ナチュラルカーブベルト。
人間の体は男女かかわらずヒップからウエストにむけてくびれている。
ベルトを付けているとストレートのベルトでもカーブしてくる。
ただこの場合、まっすぐなものが曲がっていくのだからもちろん革に良くない。
そこで始めからカーブ形状にしている。
もちろん裁断の技術も、革の効率も悪いから、安価なベルトはストレートベルトである。
今回はトピックがばらばらで申し訳なかったですが
駆け足で紹介しました。